スウェーデン人フォトグラファー、エリック・グスタフソン(Erik Gustafsson)の作品集。
毎日の鳥のさえずりが、暗室で起こる創造と破壊のサイクルと共鳴し、このモノグラフを作り上げている。
本書において作者は、自身のコンセプチュアルかつ文脈に基づいた写真制作プロセスを、「写真の真理」というシンプルな前提と対話させている。それは、日常を昇華させ、日々に意義を探し求め、平凡な暮らしの中の些細な出来事さえも真剣に受け止め、意識、感覚、感情に対する感謝と感嘆を呼び起こすためである。
時には異常なまでに普通で、また時には優しく親密であり、また別の時には深淵で複雑な、作者が切り取る生活の温かさは、その制作プロセス自体が自らに降りかかってくる場である暗室で消化され、イメージに組み込まれる。撮影、印刷、失敗、ルールの湾曲、反復、スキャンのサイクルがプロセスの中で繰り返されているのである。
意識と偶然のバランスを保ちながら作者が手がけた魔法のようなリアリズムの瞬間は、未完成であり続けるイメージが、後に改変、加工、そして上書きできるような永続的であり恒久的な現実を物語っている。本書では、印刷後のページという完成された形でさえも揺るがされている。イメージは逆さになったり、ページ上で回転したり、視覚的な分離性と(非)関連性をもってシークエンスが積み重なることで読者を陶然とさせるが、後にまた溶けて折り重ねられてしまう。そして、プリントが再び薬品に浸されることによって、「粘土の家(The House of Clay)」は再形成されるのである。
softcover
152 pages
208 x 288 mm
color, black and white
2024
published by LOOSE JOINTS